30歳・会社員・縁結び
「出会いがない」「出会いがほしい」
それがいつしか私の口癖になっていました。
その割に友達の紹介や合コンなどの話は断る私に対し、
「じゃあどんな出会いがほしいの?」
と友人が呆れ顔で言うのがお決まりでした。
今回は、兵庫県の「生田神社」に恋愛祈願に行ったところ、今の旦那とドラマのような出会いを果たした体験談をご紹介します。
自然な出会いを求め、縁結びの神様の「生田神社」へ
そう、私がほしいのは「自然な出会い」だったのです。
「恋愛を目的」として動きたくないのです。
特に、合コンなんてもってのほかです。
しかし、そうはいってもアラサーに自然な出会いなんてなかなかありません。
それでも、人見知りで自分に自信のない私にとって「自然な出会い」というのは最も重要な条件だったのです。
「とりあえず何か行動を起こさねば…」と思い、やって来たのが兵庫県にある「生田神社」でした。
この神社は「縁結びの神様」で有名なんだそうです。
困ったときの神頼みとはこのことを言うのかもしれませんが、このときの私には神様に頼るほかなかったのです。
一人で行くにはさすがに気が引けたので、友人にもついてきてもらいました。
その日は平日にもかかわらず、結構な人で賑わっていました。
「この大勢の人たち全てが縁を求めているのなら、すぐにでも縁を結べそうなのにね」
と友人に呟くと、
「人には好みというものがありますからね。あなたみたいに良い歳して自然な出会いを求める人もいますから」
と言われ、苦笑するしかありませんでした。
恋愛おみくじの結果は「急がば回れ」!
その日は秋真っ盛りだったので、紅葉がとても綺麗で少しだけ気持ちが救われました。
神社はさすが縁結びの神様だけあって、売っているものやおみくじなど、ほとんどに「縁結び」と書かれていました。
「別に本当に叶うなんて思ってないけど…」
と言い訳がましく思いながら、可愛らしいお守りを一つ買いました。
優しい桃色をした小さなお守りです。
千円しましたが、もし本当に素敵な出会いがあるなら安いものでしょう。
他には「水みくじ」というものもやってみました。
一枚200円で、おみくじを水に浸すと「恋愛運」が浮き出てくるのです。
このようはおみくじは初めてだったので、若者のように少々はしゃぎながらやったところ、結果は「吉」でした。
書かれていたことを簡潔に言うと、「待てば海路の日和あり」という感じでしょうか。
もしくは「急がば回れ」です。
とにかく焦らず待っていなさいということでした。
私にとってこのお告げはとてもラッキーでした。
もし積極的に動きなさいなんて書かれていたら、気持ちは一気に下降し、鬱々とした気持ちでこれから過ごさねばならなかったはずです。
最後にお参りをして、恋愛祈願は無事に終了しました。
お賽銭に500円を入れたのは初めてのことでした。
落とした社員証を届けてくれた親切な男性はダレ?
それから半年が過ぎて、社内では異動だの決算だのでとても忙しくなっていました。
私の部署はほとんど異動がないので、そのバタバタしている人達をボーッと眺めていました。
そんなある日、美味しいパン屋さんが会社近くに出来たということで、昼休みに買いに行ってみることにしました。
オープンからまだ日が浅いので、たくさんの人が並んでいました。
桜餅入りのあんぱんがとても人気があるようで、私もそれを買うつもりでいたのですが、あまりの混みように時間がなくなってきました。
何度も時計とにらめっこをし、あともう少しで自分の番というときに、お昼休みが終わる時間に差し掛かってしまいました。
残念だけどまた今度にしようと諦めて、急いで会社に戻りました。
しかしその後、首にかけていた社員証がなくなっていることに気が付きました。
朝首にかけてから退社まで取ることはないので、どこかへ落としたのでしょう。
セキュリティのこともあり、紛失したとなると上司から厳しい叱責を受けます。
私はオロオロしながらバッグの中や、エレベーターや廊下をくまなく探しましたが、見つかりませんでした。
諦めかけていたそのとき、受付から内線で呼び出しがかかりました。
「なんだろう?」と思い1階の受付へ行くと、
「これをお忘れだと届けてくださいました」
と受付嬢に手渡されたものは、私の社員証でした。
びっくりして誰が届けてくれたのかを尋ねると、
「男性の方でしたが、これを渡すとすぐに出て行かれたので…」
と申し訳なさそうに言われました。
きっと、パン屋さんから急いで帰るときに紐が外れて落ちたのでしょう。
良心的な方もいるのだなぁと感動し、お礼が言えなかったことを悔いました。
運命の再会!望んだ「自然な出会い」で彼と急接近
一週間後、お昼休みにもう一度人気のパン屋さんへ足を運びました。
今日こそは桜餅入りのあんぱんを買おうと意気込んでいたのです。
帰社時間にはいつも売り切れてしまっているので、お昼休みに買いに行くほかありませんでした。
しかも水曜日以外はゆっくりとお昼休みをとれないので、一週間に一度のチャンスなのです。
しかし運の悪いことに、私の前にいる人で桜餅入りのあんぱんは売り切れてしまいました。
思わず、「えー…」っと力ない声を出している自分がいました。
仕方がないのでトボトボと会社へ戻っていると、後ろから「あの!」と声をかけられました。
振り返ると見知らぬ男性が立っており、「これよかったらどうぞ」といきなり紙袋を渡されました。
怪しい人物に私は怖くなって立ち去ろうとするとその人は、
「社員証、ちゃんと戻ったんですね。よかった」
とにっこり微笑みました。
一瞬の間があって、私は「あ!」と声を上げました。
「届けてくださった方ですか?」と聞き返すと、ハイと笑っていました。
私は深々とお辞儀をし、何度もお礼を言いました。
あの日、わたしが社員証を落とした日、パン屋さんの行列で私の後ろに彼が並んでいたそうです。
すると急に私が列から抜けて走って行ったのですが、足元を見ると社員証が落ちていたのだそうです。
迷った挙句、その人も列から抜けて会社まで届けてくれたそうです。
そして今回、パン屋さんで私の前に並んでいたのが彼だったのです。
お目当のパンが目の前で売り切れてしまい、落胆の声をあげた私を振り返ると「あのときの人だ」と彼は気付き、迷った挙句桜餅入りのあんぱんを私に譲ろうとしてくれたのです。
どこまで人が良いのだと私は急に可笑しくなって、その場でプッと吹き出してしまいました。
彼もよく分かっていないような感じでしたが、一緒になって笑いました。
私は毎週水曜しか買いに来れない旨を話すと、なんと彼も水曜日しかゆっくり時間が取れなかったそうです。
彼の差し出したパンは、最終的に半分こしましょうということになって、近くのベンチで一緒に食べました。
よくよく聞くと、彼はこの春に異動になって引き継ぎなどで行き来している状態とのことでした。
その彼の会社は私の会社の得意先だということも判明し、世界は狭いなぁとしみじみ感じました。
縁結びの神様のおかげ?彼と3年後に結婚
そこからどちらからともなく連絡先交換をして、交流が始まりました。
自分の連絡先をまだ知り合って間もない男性に教えた自分に驚きました。
桜餅入りパンがすごく美味しかったせいかもしれません。
幸せな気持ちで彼と知り合えたことがとても嬉しく思いました。
それから何度か一緒に食事をしたり、休日に映画へ行ったりしました。
彼は私より2つ年下だったのですが、まったく年の差を感じさせないしっかり者でした。
彼もまた私のことを年下だと思っていたようです。
二人ともがすごくおっとりとしているので、一緒にいてとても楽でした。
3ヶ月ほどの友達期間を経て、彼から告白され付き合うことになりました。
そしてその3年後、彼とめでたく結婚をしました。
生田神社に旦那と2人でお礼参り
あのとき、生田神社で「待てば海路の日和あり」と出たのは間違っていなかったのだと思います。
付き合ってから、二人して生田神社にお礼参りに行き、次は二人お揃いのお守りを買いました。
以上、私の縁結び体験談でした。
これを読んでくれたすべての女性に、幸せな結婚が訪れますように…。
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