33歳・サービス業・手相、タロットカード
「仕事のことで悩んでいます」
「うん、そうね。あなたの会社、ひどい」
占い師の先生に「転職」について相談したところ、第一声にそう言われました。
5年ほど前、私は東京の、いわゆる「ブラック企業」に勤めていました。
そして、会社での自分の立ち位置について悩んでいたのです。
今回は、転職を決意できずにブラック企業にとどまっていた私が、占い師の先生の一言で転職を決意することができ、結果それが人生の転機となった体験談をご紹介します。
転機となった博多への出張
面接では、「研修をやってすぐに前線で実績が積める」という触れ込みでしたが、実際に入社してみると、研修期間は倍以上に長く、実務もなかなか教えてもらえませんでした。
会社に対して不満を抱えていた、そんなとき、博多に出張に出ることになりました。
正直、行きたくないと思いながら、しぶしぶ上司に同行しました。
結局、その出張での私の仕事は、取引先をうまく繁華街に誘導して相手を接待するための女性要員でしかありませんでした。
入社後、じわじわとそういう仕事ばかり担当させられるようになり、いい加減嫌気がさしていました。
結局、出張は成功。
取引先は上機嫌でお帰りになりました。
しかし翌日、上司だけが相手方の自宅に招かれることになり、私は必要になるか分からないので待機ということに。
博多駅周辺でやることもないので、ふらりと街に出ました。
そのときに見つけたのが、占い館「ゴディス」でした。
短時間で終わるとあったので、私は生まれて初めて占いをしてもらうことにしました。
私の運命を変えてくれた一人の女性占い師
5年も前のことなので、占い師の方の名前は定かではないのですが、髪の毛をおろした、気さくな語り口調の女性でした。
私が「仕事のことで悩んでいます」と言うと、その先生は「うん、そうね。あなたの会社、ひどい」とひと言。
驚きました。
「なんでわかるんです?」と聞くと、私の生年月日や手相を眺めながら、
「あなたは今人生の岐路に立っている。自分でも決めかねていることがある。そんなように出ている」
と言われ、私はこれにも驚かされました。
実は、歯科医をしている親戚から、「場所を移転してクリニックを大きくするから、受付のスタッフをまとめる役割をお願いできないか」と誘われていたのです。
学生時代に、そのクリニックでアルバイト経験があったことに加え、お給料もそれなりにくれるという話だったので、少しだけ迷っていました。
しかし、私はサービス業の講演会や交流会に関わる仕事を目指しており、今の会社が、まさにその業種だったのです。
この就職氷河期に退職をしてしまったら、未来がない…。
そのため、「このまま歯を食いしばって耐えていれば、いつか報われるだろう」と親戚の誘いは断るつもりでいたのです。
占いが導き出した未来とは?
先生は手相だけではなく、タロットも専門だと言うことで、手相診断だけではなく未来も占ってもらうことにしました。
先生がタロットを繰る手付きを見ているうち、私は将来どうなるのか、今どうした方が良いのか…と色んな考えが巡り、どんどんと占いの世界に惹きつけられていきました。
その先生はすごく落ち着いた話し方でこう言いました。
「あなたの足を引っ張っているのはその会社。このままでは恋人もできないし、身体を壊して家族にも迷惑をかけることになる」
私は愕然としました。
確かに、私はその頃すでに胃痛に悩まされていたのです。
それをピシャリと言い当てられた気分でした。
今が人生の岐路で、会社は私にとって疫病神。
先生は続けて、
「あなたが今の会社を捨てても、仕事自体はあなたに向いている。あなたを祝福している」
と言ってくれました。
話をするうちに、私の心は決まりました。
今まで鬱々とした生活をしていたのが嘘のように、ゴディスを出た私の胸の中は、晴れ晴れとした気持ちでした。
出張後、すぐに退職願を提出
私は、博多出張から戻るとすぐに退職願を書きました。
会社には引き留められましたが、私は頑として譲りませんでした。
たぶん、あの先生との出会いがなければ、会社に押し通されて辞めることができなかったと思います。
「これからは君の希望もちゃんと考慮する」と甘い言葉で懇願する上司に、騙されてしまっていたかもしれません。
ですが、私には占いで得た決意がありました。
もともと優柔不断だった私を、あの先生の言葉が変えてくれたのです。
私は死に物狂いで会社から逃げ切りました。
転職後、運気が巡り出し夢が叶うまでに
私は会社を辞め、親戚の歯科医で働くことにしました。
すると、その内装工事を担当している会社との顔合わせで、良い出会いがありました。
彼は、初めて会ったとは思えないほど話しやすく、気が合う男性でした。
すぐの彼と交際を始めました。
そして、クリニックは規模が大きくなったこともあって大忙し。
オーナーは医療事務の資格はもちろん、接遇の研修なども積極的に投資して私に学ばせてくれました。
やりがいが膨らみ、仕事も恋も順調にいって、幸せを満喫していました。
私は先生が「悪いのは会社だけで、仕事自体はあなたに向いている」とアドバイスしてくれたのを手掛かりに、クリニックの仕事と並行して接遇の研究を本格的に始めました。
結果、今ではあの頃の目標だったサービス業に関する講演や交流会に、講師として参加できるまでになりました。
最後に
現在はデンタルフロントのコンシェルジュ業を開拓しようと奮闘しています。
今になって昔を振り返り、あのとき占いの館に行くことなく、20代を潰していたらと思うとゾッとします。
あの占い館との出会いは、私の人生を一変させてくれました。
さすが老舗らしく今も健在とのことなので、またいつか足を運んでみるつもりです。
コメントを残す